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幼年学校について注目すべき本が出版されました。
野邑理栄子著「陸軍幼年学校制の研究」(8500円・税別)です。
昨年1月の出版です。
著者の学位論文をまとめたものです。
いまどき「幼年学校」を研究テーマとして真正面から取り上げるとは…。
幼年学校に対する不要論から、幼年学校出身者の陸軍中枢における地位など
豊富な史料でまとめています。
それによると、幼年学校は明治維新後になって若者が自由民権思想に
毒されることを防ぐために設立された面が強いということになります。
つまり思想的に「毒される」以前に、若者を軍隊教育に組み込もうということです。
あの児玉源太郎大将がその推進の中心でした。
幼年学校に対する「純粋培養論」はこんなところから出たのかもしれません。
中等教育は本来は文部省の所管であり、それを陸軍が「横取り」することへの
反発がかなり強かったのです。
昭和天皇が、戦前の陸軍の独断的体質が幼年学校教育にあったとして、
幼年学校制度を非難したことも記しています。
「広島の原爆はやむをえなかった」という昭和天皇の発言とともに気になることです。
陸士生徒の中で幼年学校卒が意外に多いのも驚きです。
父がいた38期は390名中、幼年学校卒は270名もいました。
3人に2人が幼年学校卒です。
中学からは108名です。
最少は54期で2330名中陸幼卒は、わずか150名(6.4%)にすぎません。
陸士最後の58期は2300名中889名(38.7%)でした。
非陸幼卒で名を知られているのは次の方々です。
荒木貞夫、真崎甚三郎、林銑十郎、杉山元、小磯国昭、今村均、佐藤賢了の各氏
陸軍省人事局の局長と補任課長は、昭和になってからはすべて幼年学校卒です。
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